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RT拡散する前に画像検索! 誰もが発信者になれるからこそ、情報に責任を

 AKB48の握手会でメンバーとスタッフが切りつけられたという事件。昨晩のこのニュースには、日本中で衝撃が走ったと思います。

 25日午後4時55分、AKB48が岩手県滝沢市で握手会イベントを行っていたところ、のこぎり状の刃物を持った男がメンバーらに切りつけ、川栄李奈 (19)と入山杏奈(18)、男性スタッフ1人が負傷した。県警は殺人未遂容疑で青森県十和田市の無職の男(24)を現行犯逮捕した。AKBの運営会社 AKSは25日夜、マスコミに「手を負傷。命に別状なし」とけがの状況などを説明する文書を発表した。公式ブログでも同様のコメントが掲載された。

AKB側「入山、川栄は手を負傷。命に別状なし」 公式文書で説明 (デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース

 

 幸いなことに、手術は必要だったものの、今日退院したとのことです。

AKB川栄さん入山さん退院 けがした手、布で覆い (朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

 ショックは受けているでしょうし、カメラの前に立つために無理はしているでしょうが、まずは二人が報道陣の前に姿を見せたということに、ほっとしました。

 

情報はTwitterから

 ニュースは上記のようにマスメディアから発信され、新聞やテレビはもちろんですが、最近では、ニュース番組のない時間帯などは、ネットのニュースが最も早いニュースであることも多くなっています。

 さらに近年では、このようなニュースが配信されるさらに前に、Twitterなどのソーシャルメディアから情報が拡散することが増えています。

 

 実際、今回のニュースも第一報の段階では襲われたメンバーなどの詳細は発表されていませんでした。

 25日午後5時前、岩手県滝沢市で行われていたアイドルグループ「AKB48」の握手会で、メンバーとスタッフが、男に襲われたと110番があった。

 県警は、殺人未遂容疑で男を現行犯逮捕した。

 県警によると、男はノコギリを振り回し、メンバー2人とスタッフ1人の計3人がけがを負ったという。

AKB48、襲われる…男がノコギリ振り回す (読売新聞) - Yahoo!ニュース

 

 これからしばらくすると、襲われたメンバーが誰かということは、「Twitter情報によると」というかたちで、情報が拡散されていきました。

 

「犯人」の顔写真まで

 情報が拡散される中で、ついには、「犯人」の顔写真まで拡散されたそうですが・・・

別事件の容疑者、ネタ画像などだった

 「本当の犯人こいつだって!」 

 「ちょ、AKBのやつ 犯人これらしい笑」

 「AKBの川栄李奈を刺した犯人特定した」

 事件が報道され始めてから間もなくして、ツイッター上では「犯人」とする画像が拡散し始めた。顔写真が報じられる前だったために関心を集めたが、写っていたのはいずれも全く関係のない人物だった。

 たとえばメガネをかけた青年の画像は、母親殺害の容疑で2013年逮捕された札幌市の男のものだ。また、上下グレーのスエットを着た中年男性の画像は、ズボンの股間部分が濡れていることから「ネタ画像」として使われることもしばしばあるもので、周囲の張り紙に書かれたハングル文字から日本で撮影したものでないことも分かる。さらに「犯人の連行写真」として出回ったものは、実際は今年5月に中国・広州駅前で起きた無差別襲撃事件の1枚だった。

 グーグル画像検索などで確認すればすぐに偽物だと分かるものばかりだが、信じてしまう人も少なくなかったようだ。

(1/2) AKB握手会事件の犯人は「こいつだ」 無関係の人物の顔写真が拡散、注目集める : J-CASTニュース

 

 さらには、加害者の父親を名乗るツイートも出現し、3万回以上リツイートされたそうです。父親を名乗るだけなら、誰でもできてしまいますね・・・

 

責任をもった情報発信を

 Yahoo!ニュースでは、こうしたことに警鐘を鳴らしている記事も見られました。

 直感的に犯人の写真や現場写真はRTをして拡散して知人にお知らせしたくなる気持ちはわかる。しかし、それをあなたからの情報だと信じて、 無意識にReTweetしてしまう人も少なくない。それが広がっていくと、確実にデマは広がる。まったく関係のない人を犯人にまつりあげてしまうことだってありえる。

 ソーシャルメディア上でのニュースは、鵜呑みにできない時代になってしまったのが本当に辛い。

 誰もが記者になれてしまうのと同時に、誰もが、「ウラ取り」作業までを行わないとダメな時代になってしまった。

 AKB握手会事件、RT拡散する前に画像検索を!(神田 敏晶) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

 インターネットが普及して、さまざまなプラットフォームも提供されるようになり、個人が気軽に発信できる時代になりました。それによって、さまざまな声があらゆる人に届くようになり、マスメディアだけが情報源ではなくなってきました。

 これは素晴らしい流れですが、一方で、発信する一人ひとりが責任をもって発信していかないと、結局ネット上の情報は信頼できない、マスメディアに頼るしかない、ということにもなりかねません。

 

 拡散する前に、ちょっと検索する。

 難しく考えて委縮する必要はないと思いますが、気をつけていきたいと思います。