「彼女なんだから責任持てよ」 違和感があるのは私だけ?
今日は、昨日ふと耳にしたことばに関する違和感について。
「彼女なんだから責任持てよ」
昨日たまたま耳にしたのですが、これって何なんでしょう。
こういうことばが発せられる時点で、批判されている人は、何かしら「彼女」に対して無責任な態度をとっていることが考えられます。
批判している側が「彼女」の肩をもつ理由も、おそらく理解可能なものでしょう。
そういった事情はよいのです。個別におもんぱかれば。そこをとやかく言うつもりは毛頭ありません。
「彼氏なんだから責任持てよ」はあるか
では、その逆で「彼氏なんだから責任持てよ」と女性が言われる場面はあるでしょうか。
少なくとも、私は聞いたことがありません。
ここに男女の非対称性があります。
この非対称性は何なのでしょうか。
その昔、例えば女性が参政権を得られなかった時代など想像すれば、思いを寄せていた人と一緒になれると思っていたのに捨てられたかわいそうな女性、みたいな話はしばしば描かれたように思います。
そういった時代は女性の社会的地位も低く、男女の差は歴然としたものだったことでしょう。
では今はどうなのでしょう。
今だって、子どもがいる女性が働き続けるには困難が伴いますし、女性幹部の割合は先進国の中で低いとは言われており、一方で、シングルマザーは貧困にさらされていると言われます。
とはいえ、今はもう、男性に頼らないと生きていけない時代ではないはずです。
イメージと甘え
「彼女なんだから責任持てよ」の裏には、男性は彼女に対して責任をもった行動をとるべき、という主張があるはずです。
私は正直、これには疑問です。相手を大切にするなら、責任ある行動をとるのは男性に限らずみんなそうするはずで、男性だけ責められる理由も、女性がそれを免れる理由もありません。
もちろん、行動パターンの性差(男女の差)があることは考えられるので、男性のほうがこういった批判を受けやすい行動をする人が多い、とかそういうことはあるのかもしれませんが・・・(そのへんはわかりません、ごめんなさい)
それから、これに賛同する背景に、女性の甘えもあると思います。
男性が無責任なことをしていようが、女性が自分の置かれている状況をきちんとコントロールできれば、同情を受けるような状況にならないはずだからです。
これも上と同様で、行動パターンに性差があることが考えられるので、のめりこんで状況を見失う人の割合が女性のほうが多めだとか、そういうことはありえるのかもしれませんが、だからといって、女性はそれでいいんだとかいうものでもないように思います。
こんなことを言っていると、女性から、あなたはそれでいいかもしれないけど、みたいなご意見が飛んできそうな気もしますが、私がもし、冒頭の「彼女」のような状況におかれたとしたら、
・良好な関係をつくれなかったことが失敗だと思う
・そもそも相手を間違えたと反省する
・とりあえず運が悪かったと思う
あたりの解釈をして、さっさと次のステップにいくんだと思います。おそらく。
いくらか憤るのかもしれませんが、そんなことに延々と固執しても時間とエネルギーの無駄ですしね。
もやっとした違和感から考える
自分が感じた違和感から発して、ふわふわとした議論をしてしまいましたが、こういう違和感は、自分と社会のずれを表していて、それを解消する方向に動くことが、自分たちが生きやすい世の中をつくるきっかけになるのではないかと思います。
もちろん、最初から明確な論理が背景に見える違和感なんてものはなかなかなくて、たいがいは、なにかもやっとしたものだと思うので、それをアウトプットするのも戸惑われることもあります。
でも、そのもやもやとした違和感を飲みこんでしまっては何にもならないので、少しずつでも出していって、物事を考える種にできたらと思います。