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就活=用意されたベルトコンベアーみたいなゲーム ゴスペラーズ北山陽一さんの記事から

 就職活動について、モヤモヤしたことがある人、今モヤモヤしている人も多いと思いますが、このモヤモヤについて思い切り語った記事があったので、紹介したいと思います。

 

就活は用意されたベルトコンベアーみたいなゲーム

 記事は、ゴスペラーズ北山陽一さん @yohk が就職活動に関するツイートをご自身でFacebook上にまとめられたものです。

結局企業も学生も、用意されたベルトコンベアーみたいなものを使って、できるだけ労力を使わずに、どれだけ良い条件のものを得られるかっていうゲームをしているようにみえる。自分の、自分達の持っているものに対して、できるだけ良い評価(つまり良い企業、良い人材)が得られるかっていうゲームね。

学生側もさ、美味しい条件ばっかり求めすぎてない?背伸びして無理して好かれようとして、入り口は上手く行っても、その後つらいと思うんだよね。ありのままの自分がいいとかは言わないよ、言わないけど、自分の人生の選択を、誰かが用意したベルトコンベアーみたいのに乗ることで決めちゃっていいの?

北山 陽一 - ツイッターからの転載+補足訂正です。かなり長いので、暇でしょうがない人&物好き向け。... | Facebook

 

 まさに、就活に対するモヤモヤはここにありますよね。

 この流れに乗ることになってるからやってるけど、ほんとにこれに乗っておけばいいのか、よくわからないままやっている/やった、という人は多いのではないでしょうか。

 北山さんは慶應義塾大学(SFC)で「うた」という講義をもっていたり、AWS学生アカペラプロジェクトという活動をされていて、大学生と接する機会も多くあるようなので、今の大学生を見ていて感じたことなのだと思います。

 

企業にとっての新しい人材=人間にとっての食べ物

 一方、採用する側に対しても。

前にも書いたかもしれないけど、いいな、と思った捉え方があって。それは、企業とか組織にとって、新しい人材は自分たちの組織を新たに作りなおすという意味で人間にとっての食べ物と一緒だ、という考え方。食べ物に気を遣えない人間はいつか健康を害するように、企業は採用活動に力を割く必要がある

自分たちの会社の一部となって一緒に働く人を選ぶのに、その一人ひとりと向き合う姿勢が取れないなら面接なんてしてもしょうがないよね。口がうまいかどうか、傾向と対策を知っているかどうかなんて、本当にその後役に立つのかね。職種によってはものすごい大事だろうけど、害になる場合もありそう。

 「企業とか組織にとって、新しい人材は自分たちの組織を新たに作りなおすという意味で人間にとっての食べ物と一緒」という考え方は、新鮮で、非常に納得させられました。

 特に文系の就職については、書類と数回の面接で決まることも多いので、ここで指摘されているとおり、話がうまい人、対策をしてきた人が有利になりがちで、それでその人が自分の会社に適しているかをどの程度判断できているかというのは、疑問を感じるところです。

 

これを正解にしよう!と思えるものを見つけるのが大事

自分の将来について決めるのは大変だし、不安がつきまとう。でも、終身雇用制も崩壊した今、自分をすり減らしてまで入りたいの?その企業に?何のために働くの?お金のため?学校で学んだことがそのまま使える職種だとしても、就職後に学ばなければいけないことは沢山ある。それをどこで誰と始めるか。

人間関係の構築、維持、言葉遣い、責任のとり方等、社会に出た途端極端に条件が厳しくなるものが沢山あって、通常それは学校では習っていないわけで、その企業のやり方で身につけていくことになる。そういう先生というか、師匠を選ぶような感覚で就職活動していますか?受験の時と同じ感覚でやってない?

自分にとって大切なことを探して見つけて向き合うためには、ひょっとしたら自分の知らないもっと良い条件の何かがあるのかもしれない、という恐怖に打ち勝たなければならない。数ある(ように見える)選択肢の中から正解を選ぶのではなく、これを正解にしよう!と思えるものを見つけることが大事。

 どこに入るかではなく、どういう人と仕事をするか、どういうところで教わるか。学生のとき、就活しているときに、果たしてそういう視点をもっているでしょうか。

 「数ある(ように見える)選択肢の中から正解を選ぶ」は、多くの人がやっているように感じます。特に、今年はよくなったとはいえ、ここ数年は、まず内定をもらうことが必死。その中では、自分から「これにしよう」ではなく、○がついたところをそのまま選ぶ、というのが実情だった面もあるように思います。

 

周りの評価ではなく、自分にとって大切なことを

本当は見つかっているのに苦労が怖くて目を背けてるんじゃないか?周りの目や社会的な地位、評価を怖がってないか?もしくは、見つける苦労を惜しんでいないか?そういう問いかけをして損することはないと思うな。

 ここまでのことは、就活の時点で考えられているでしょうか。

 それなりにやれば「いいと思われるもの」まではたどり着くかもしれませんが、そこからもう一歩、二歩踏み込んで、周囲の評価などを差し引いて、本当に自分がいいと思うものにたどり着くというのは、全員ができていることではない印象があります。

 ただ、これにたどり着くのは、就職してからでも遅くないと思いますし、働いてみて初めてわかることもたくさんあります。それはその時点で、また考えればよいのだと思います。

 

 ともかく、こうしたことをモヤモヤのまま置いておくのではなく、改めて振り返ってみるということが大事ですね。

 これだけ文字にしてくださった北山さんに感謝です!