同性同士の婚姻届は憲法に基づき不受理 LGBTsと婚姻制度
先ほどTwitterを見ていたところ、同性同士の婚姻届を提出したら不受理証明書が交付されたという写真つきのツイートが流れてきました。
憲法第24条第1項に基づき不受理
そのツイートがこちらです。
両性の合意に基づく婚姻を定めた憲法24条第一項を根拠に、彼女たち同性同士の婚姻届けに対して、不受理証明書が交付された。 pic.twitter.com/knMclamPxK
— 要友紀子 (@kanameyukiko) 2014, 6月 5
そもそも日本国憲法第24条第1項というと・・・
第二十四条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2 略
「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し」が根拠というわけですね。
LGBTsのことを考えると憲法改正が必要?
この「両性」という二文字の重みはすごいですね。
婚姻が異性同士のものでないといけないと言っているのはもちろん、憲法の中では「性別」についての定義はないけれど、これを読んだ時点で、「男性/女性」しか想定されていないことがわかるわけですね。 *1
日本語ってすごい・・・
最近、集団的自衛権の関係で、解釈改憲がなんとかとか言われていますが、この部分について、解釈改憲でLGBTsの様々な婚姻も可能とするというのは、難しい感じがしますね。(専門家ではないのではっきりとはわかりませんが。)
LGBTsが生きやすい社会をつくるということは、憲法という、国の制度の根幹にかかわってくる問題なのだと改めて認識しました。
事実婚はどうなの?
それではもはや法律婚にこだわらなくてよいのでは、という声もあると思います。
確かに、最近では非嫡出子の扱いも改善されましたし、法律婚と事実婚の法律による保護の差は小さくなっているでしょう。
しかし、日本では社会規範として圧倒的に法律婚が重視されますし、そういう面でも、じゃあ事実婚でいいじゃん、とはいえないですよねぇ・・・
また、事実婚といえば、フランスを見習え!みたいなところがありますが、フランスの事実婚(PACS)も、みんな好き勝手結婚しているわけではなくて、きちんとした契約の制度があり、戸籍謄本などを提出して裁判所に申請する必要があるそうです。
PACSは同性・異性を問わず成人年齢に達した者同士が安定した共同生活を営めるよう、法的婚姻関係を結ぶカップルと同等の権利を認め公証するものです。PACSは同性結婚の代替措置と思われていますが、結婚より規制が緩く、同棲よりも法的権利等を享受できるので異性カップルにも浸透していきました。性別、国籍に関係なく契約を結ぶことができ、しかも法定結婚と比較すると手続きが簡単であり、時間もかからないという手軽な点もPACSがフランス国民に受け入れられた理由の一つのようです。
フランスの事実婚とは?(1/2)|事実婚 (PACSとは?)|事実婚のPACS-JAPON
フランスの場合は、もともと同性カップルの権利保障のためにこの制度ができたそうですが、法定結婚が、裁判所に申し立てをしないと離婚できないような厳しいものであるため、今では9割以上が異性カップルによって占められているそうです。
従来の法制度に乗らないかたちで社会的な自由さを実現していくという方法もありますが、その場合は同時に、従来の法制度に乗らない人に対して、どうやって権利保障をしていくか考える必要があるということがフランスの例からわかりますね。
また、日本とフランスの文化の違いを考えても、フランスのまねをすればよいというわけではありませんが、一つの先例として、参考にはなるのだと思います。
まずは多くの人が知ること
どういうかたちにしても、制度を変えていくのであれば、まずは多くの人がそれに納得するような社会状況が必要ですね。
アムネスティ・インターナショナルは、LGBTsの権利が侵害されている状況について、ページを設けて随時報告しているようですし、NHKがハートネットTVで取り上げたり、朝日新聞もトピックスを設けて関連記事を見られるようにしているなど、情報発信の強化は各方面で行われているようです。
著名人でも、乙武洋匡さんなどは積極的に情報発信していますが、今はインターネットで個人も発信できる時代ですから、一人ひとりが少しずつ広げていくと、輪が大きくなるのだと思います。