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性同一性障害、生保入れない? LGBTへの注目と厳しい現実

 ソチオリンピックのころからでしょうか。「LGBT」という言葉をよく聞くようになりました。

 話題になっているからこそ、いろいろな問題も見え始めていますね。

 

最近話題の「LGBT

 「LGBT」とは何の略でしょうか。

 LGBTとは、女性同性愛者(レズビアン、Lesbian)、男性同性愛者(ゲイ、Gay)、両性愛者(バイセクシュアル、Bisexual)、そして性転換者・異性装同性愛者など(トランスジェンダー、Transgender)の人々を意味する頭字語です。

 また、LGBTということばでは、L、G、B、T以外の性的マイノリティの人が含まれないのではないかということから、性的マイノリティを表すことばとして

  • 「s=LGBTではないが性や恋愛に関するいろいろなこと」を加えた「LGBTs」

なども使われています。

 Wikipediaにおいても、性的マイノリティを表すことばのさまざまなバリエーションが紹介されています。

 

LGBT - Wikipedia

 

東京レインボープライド2014

 4月27日に、代々木公園にて、東京レインボープライド2014というイベントが開催されました。パレードやフェスタを通じ、LGBTの存在を広く社会に知らしめ、LGBT並びにその支援者(Ally)と共に、「“生”と“性”の多様性」を祝福する「場」には、約15,000人の人が参加したそうです。

 著名人では、乙武洋匡さんが参加し、その様子を写真でTwitterFacebookでシェアしていました。

 また、首相夫人の安倍昭恵さんも参加され、そのことは、日本よりも海外において報じられ、高く評価されたそうです。

 

安倍首相夫人がLGBTイベントに登場 保守派の首相に対し“家庭内野党”…海外からは高評価

 

 当日の安倍昭恵さんのインタビューの動画は、8bitNewsに掲載されています。

安倍昭恵さんにインタビュー@東京レインボーパレード | 8bitnews

 

LGBTを取り巻く厳しい現実

 欧米諸国を中心に、多様性を尊重する社会は広がっています。しかし一方で、圧力を強める社会もあることも、最近では報じられています。

 

「日本では同性愛を話題にすらしない」LGBTの祭典「東京レインボープライド」参加者が訴え

■ 世界で加速する同性婚法制化の流れ

 現在、LGBTに対する差別の撤廃と同性婚を認める流れは世界各国で加速している。   2001年にオランダで世界初の同性結婚法が成立したのを皮切りに、その後ベルギー、スペイン、カナダ、南アフリカノルウェースウェーデンポルトガルアイスランド、アルゼンチンなどで認められている。近年では、2013年4月にフランスとウルグアイ、8月にニュージーランド、2014年3月にイングランドウェールズスコットランドは2月に法案通過)で同性婚を認める法律が施行された。

  アメリカでもニューヨーク州はじめ18州で同性婚が認められており、2013年6月26日には連邦最高裁が男女の結婚に限定した連邦法「結婚防衛法(DOMA)」を違憲とし、同性婚者にも異性婚者と平等の権利を保障するという判決を下した。その結果、2008年11月に同性婚の執行を停止していたカリフォルニア州同性婚者に対する結婚証明書の発行が再開された。

 

■ 同性愛に対する圧力を強める国も

  しかし一方で、LGBTに対する差別や圧力を強める国もある。2013年6月11日には、ロシア下院議会が未成年者に「非伝統的な性的関係」(ロシアでは同性愛についてこう表現する)について情報提供することを禁じた「同性愛宣伝禁止法」が成立した。こうしたロシアの人権問題に抗議する意思表示として、アメリカやフランス、ドイツなどの各国首脳は2014年2月にロシアで行われたソチオリンピック開幕式への出席を見送ったが、ロシアのプーチン大統領は「ソチオリンピックではあらゆる差別は排除される。同性愛者も安心してほしい。ただし、子どもには近づかないように」と発言するなど、同性愛宣伝禁止法を撤回する意思は示していない。

  また、2014年1月にはナイジェリアで「2013年同性婚(禁止)法」、2月にはウガンダで「反同性愛法」が成立し、同性愛者に対する刑罰が強化された。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、アフリカの54カ国のうち、38カ国で同性愛行為が禁じられている。

 

日本ではどうなのか

 昨今では認知度も向上してきましたが、LGBTの人たちは日本でもやはり厳しい状況におかれてきました。

 LGBTの自殺防止などに取り組む団体「いのちリスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」が5月7日に発表した調査結果によれば、性同一性障害や同性愛などの若者609人のうち、約7割がいじめや暴力を受けた経験があり、そのうち約3割が自殺を考えたことがあるなど、いじめが深刻な傾向がみられたそうです。

 

<性的マイノリティー>7割いじめや暴力経験 学校生活調査 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

 

性同一性障害、生保入れない?

 さらに、このようなニュースもありました。

 

性同一性障害、生保入れない? ホルモン投与「治療中」 (朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

 

 性同一性障害の患者が、生命保険の壁に直面している。ホルモン投与などの治療を理由に、加入を断る生保会社が少なくないからだ。「心身とも健康で、軽やかになったのに、なぜ」。不信感が募る。

 

 東京都新宿区に住む会社員ヨウコさん(53)=同=は2年前、戸籍上の性別を男性から女性に変更。20年以上契約を結んでいた生保の解約を迫られた。性同一性障害特例法は、性別の変更は権利義務に影響しないと定めているのに、契約時の性別は変更できないと認めてもらえなかった。一方で、登録している性別 を男性から女性にすぐに変えてくれた生保会社もあった。

 

 2012年度の総資産額が多い大手生保会社10社に取材すると、どの社も「性同一性障害を理由に加入を断ることはない」と答えた。ただ、複数社の担当者は「性同一性障害は糖尿病などと同じ疾患の一つと考えている。ホルモン投与には血栓症骨粗鬆症(こつそしょうしょう)のリスクがあり、審査に落ちやすいことはある」と認める。

 研究者らによると、ホルモン投与を始めると、一般的にホルモン分泌量が減少する40代後半~50代後半の更年期ごろまで続けることが多い。戸籍の性別が変更された後も通院、投与は続く。ある生保の担当者は「ホルモン投与を始めた人は、保険金の給付対象となる性別適合手術を受ける可能性も高く、これも審査のネックになる」と明かす。

 

 ホルモン投与の影響が医学的に示され、一定のリスクと考えられるのであれば、多少考慮されることはやむを得ないような気もしますが、そこをリスクととらえる会社とそうでない会社があること、戸籍上の性別の変更に伴い解約を迫られることがあることなど、当事者が不信感を抱くような状況は生きづらさを増すばかりですね。

 少なくとも、現在の医学では、ホルモン投与を始めると投与が続くことになるそうですから、これでは、安心して保障してくれる保険会社が見つからないということになりますね。

 欧米ではどうなのでしょうか。情報がなくてわかりませんが、こうした障害のないところがあれば、ぜひとも日本も見習いたいものです。