たねログ

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「ちょっと教えて」が言える人は強い

 5月も終わりに近づいてきました。4月に新年度で就職や異動などがあった人も、そろそろ慣れて落ち着いてきたのではないでしょうか。

 

新たな環境は「わからない」だらけ

 新たな環境に身を置くと、慣れるまでは、その場で活動すること自体に時間とエネルギーを使います。

 たとえ、経験したことのある仕事だとしても、初めての場所に来ると、業務上使うもののありかがわからない、どの件は誰が詳しいかわからないなど、何かしらの「わからない」は発生するものです。

 もちろん、前任者や周囲の人が、なるべくわかるようにフォローしたり、事前に引き継いだりすれば、「わからない」が減って、より円滑に新たな環境に入っていけますが、それでもやはり「わからない」は出てくるものですし、それは当然のことです。

 

「ちょっと教えて」

 そこで、「ちょっと教えて」と言える人は強いと思います。

 新しく来た人が、わからないことがあるのは当然。それなので、わからないものをどんどん山積みにして、1人で抱えていることは非効率です。

 だから、わからないことはどんどん聞いて進めていく、その姿勢は大切です。

 しかしながら、最初からお手挙げて「一から全部教えてください」と言ってしまうのも、そんなに教えている余裕はないよ、自分で学ぶ気はないのか、と思われるばかりで、いいことがありません。(新規採用の1年生なら別ですが)

 

 そこでちょうどいい塩梅が、「ちょっと教えて」ではないでしょうか。ある程度は既にもらった情報を確認したり、わかる範囲で調べたりして、その上で、わからないところを「ちょっと」教えてもらう。

 あるいは、情報のありかもわからなければ、どこを見たらわかるのか「ちょっと」聞いてみる。

 もちろんそれで、聞いた相手が詳しく教えてくれるようであればラッキーですが、そうでない場合でも、「ちょっと」なら負担感なく教えてもらえ、かつ、教えてもらったことによって仕事を進めていくことができます。

 

普段の仕事でも同じ

 このことは、普段の仕事でもいえることだと思います。

 仕事をしている中で、ときには、自分の守備範囲の外のことが関係することもあるかもしれません。また、だんだん立場が上になっていって、守備範囲が広がってくると、すべてのことを詳細に追えなくなって、詳しい人の助けを借りる必要が出てくることもあるでしょう。

 

 こういうときに、「ちょっと教えて」が言える人は強いと思います。知らないから最初から人任せにするのではなくて、とにかく「ちょっと」聞いてみる。その上で、もっと勉強して取り組んだほうがいいとか、詳しい人に任せたほうがよいとか、判断できる人は、スピーディーに物事を進められるような気がします。

 

 また、この「ちょっと教えて」を、自分より上あるいは自分と同等の立場の人だけでなく、自分より若い人や後から入ってきた人に対してもできる人は強いと思います。

 ある分野について自分より詳しい人として相手を尊重して、その知見を借りるということを、自分との相対的な立場にかかわらずできる人というのは、仕事をしていく上で、信頼を獲得できると思うのです。

 

 

 この春、私は久しぶりに大きな異動を経験し、何年か仕事をしてくると、初めての場所であっても、わからない・できないが大きなフラストレーションになったり、ともすると、人に教えてもらうことが億劫になってしまうということを実感しました。

 しかし、組織で仕事をしている以上、求められるのは、自分自身の頑張りではなく、組織としての成果ですから、仕事ができない自分に意識を集中してしまうのではなく、お互いもっている知見を交換しながら物事を進めていくようにすべきだと再認識しました。